内部寄生虫とは?
犬の寄生虫にはノミ・ダニなどの外部寄生虫のほかにも、体内に寄生する内部寄生虫がいます。
犬の内部寄生虫は多くの種類が存在し、姿形、起こさせる症状、寄生部位(消化管内、腸絨毛の細胞、赤血球、肝臓など)、感染経路も様々です。生まれる前に母犬から胎盤感染することもあります。
成犬ではほとんど症状のないこともありますが、下痢や嘔吐の原因となったり死亡する恐れのある内部寄生虫もいます。
子犬の時期は下痢・嘔吐などの病気の原因になるだけでなく、成長の阻害となることもあります。
内部寄生虫の検査について
内部寄生虫の検出には、顕微鏡で直接便中の虫体や虫卵を見つける方法や、比重の差を利用して虫卵などを浮遊させる方法など、様々な方法が利用されています。
虫卵の排泄時期や犬の体調・免疫力の状態によっては検出されにくいこともあります。
検便で使用する便の量が限られていることや、寄生虫ごとに最適な検出方法が異なることなどから実際に検出できる割合は低いとされています。一度の検便では検出されないことがありますので、何度か検便をして寄生虫の有無を確かめましょう。特に子犬の時期は複数回検便をしましょう。
検便の目安は、生後6ヵ月齢ぐらいまでは毎月、以降は1年に1〜2回以上です。
定期的な検便は犬の健康を維持するだけでなく、人間への寄生の機会を減らすことにも繋がります。
犬の主な消化管内寄生虫
- 犬回虫
- 犬鞭虫
- 犬鉤虫
- 犬小回虫
- 糞線虫
- コクシジウム
- ジアルジア
- 瓜実条虫
- マンソン裂頭条虫
- エキノコッカス







犬の内部寄生虫の駆除薬
犬の寄生虫は人間に感染することもあります。人獣共通感染症の観点からも犬の駆虫は重要であるときえられています。
ペット先進国の米国でも10年ほど前から疾病予防管理センター(CDC)と寄生虫学協会(AAVP)という公的機関がペットから人への内部寄生虫の感染を防ぐためにペットの駆虫薬の投与(定期駆虫)を勧めています。
欧州のエスカップ(ESCAP)という団体も、「飼い主が寄生虫についての知識を持ち、ペットの健康はもちろん、まわりのコミュニティの人々や動物への責任を持つべき」とし、CDCと同じく定期駆虫を推奨しています。
犬の駆虫薬には、スポットタイプやスプレータイプ、錠剤、おやつタイプなどの種類があります。動物病院で処方されたお薬であれば、1回の使用で効果が1〜2ヶ月ほど続きます。
市販の駆除薬は、有効成分の違いや全身への広がりの弱さなどにから、動物病院で販売している薬と比べると、効果が60%ほどしか望めないとの報告があります。
当院では、
- チュアブル(おやつ)タイプ
- スポット(点液薬)タイプ
の2種類の駆虫薬を取扱っております。いずれも犬の体に負担の少ないものを使用しています。
内部寄生虫だけではなく、ノミやマダニ、フィラリアを同時に駆除・予防ができるオールインワンタイプのお薬もご用意しておりますので、是非ご利用ください。
マダニ駆除薬の種類 | タイプ | その他の寄生虫への効果 |
---|---|---|
ネクスガードスペクトラ | おやつ | フィラリア、ノミ、マダニ |
アドボケート | スポット | フィラリア、ノミ |
チュアブル(おやつタイプ)の飲み薬は、投与後すぐにシャンプーをすることが可能です。
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