犬は必ずしも咀嚼を必要としないため、引き裂きや噛み砕きに適したとがった歯になっています。犬は虫歯になりにくいですが、歯周病の発生はとても多く、2歳以上の犬の80%が歯周病であるといわれています。
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犬の歯周病
歯周病とは、歯を支える歯の周りの組織の病気で、歯肉炎と歯周炎(歯根膜や歯槽骨にまで及んだ炎症)のことです。主な原因は歯垢中の細菌で、歯垢が石灰化した歯石も歯周病を悪化させます。
犬の唾液はアルカリ性ですので、歯垢は1日・歯石は約3〜5日で形成されます。人間と比べると約5倍の早さで犬は歯石が付きます。
歯周病がひどくなると、
- 食欲不振
- 歯肉の出血
- 強い口臭
- 流涎
- 歯の脱落
- 歯根の化膿
などのほか、肺・心臓・肝臓・腎臓など、犬の身体全体へ口腔内細菌が運ばれ重大な病気や感染症を引き起こすこともあります。重度の歯石は犬の寿命を15%ほど早めるともいわれています。
次のような犬が歯周病になりやすく重症化しやすいといわれています。
- 年齢が高い
- 体が小さい(大型犬よりも小型犬が発生しやすい)
- ドライフードなど硬い主食よりも、軟らかいフードを主食にしている
乳歯残存
犬は生後5〜8週までに乳歯が生え、生後7ヶ月くらいまでに徐々に48本の永久歯に生え変わります。この時期に永久歯へとうまく生え変わらずに乳歯が残ってしまうことを「乳歯残存」といいます。
乳歯の残存は歯並びを悪くし、歯周病などを起こしやすくすることがあります。
乳歯が残ってしまった場合は、早めに抜歯処置を行ってあげましょう。不妊手術と一緒に残った乳歯を抜歯することもできます。
歯みがき
歯周病の最大の予防は歯垢・歯石を付着させないことです。
歯石の付着を予防する効果のあるドライフードや、おやつ・おもちゃ(歯を傷つけないもの)などがありますが、歯周病の予防には、歯みがきが最も効果があります。
犬用の歯ブラシや歯磨き粉(水だけでもよい)を使い、毎日歯をみがいてあげるのが理想です。
歯ブラシは最初はなかなかうまくできないことが多いため、徐々に慣らせていきましょう。
- 指で歯をさわる
- 指にガーゼまたはサック型の歯ブラシを付けてみがく
- 歯ブラシをする
と段階をふんで短時間から長時間へと慣らせていくなど、何日かかけて無理なく進めましょう。できれば、幼い時期から少しすつ毎日繰り返すことで、恐怖心もなく生活の一部として取り入れやすくなります。
高齢になってからでも、無理をせすに徐々に時閻を割いてゆっくりと進めてあげれば、ホームケアができるようになります。
歯石は1 度付着してしまうと歯ブラシでは取り除くことができません。
重度の歯石の付着などによる歯周病になってしまった犬には、犬の健康のため、そして口腔内細菌の人への感染予防のためにも、超音波スケラーなどを使って歯石を除去し、抗生剤の内服投与などの口腔内をきれいに保つ治療をしてあげるべきだといわれています。
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